お料理 仕出し おおぞね の日記
-
板前の罪悪・・・
2012.03.01
-
修行時代、板前として一番の罪悪は、
「食材を捨てる」
事だと教わりました。
失敗して、捨てることになる。
これは、当然ながら罪悪です。
たとえば、仕込みをした料理がお客様の入数や注文頻度によって
余ってしまうことがあります。
こうした場合、腐るまで置いておくわけにはいきません。
値段を下げるとか、つき出しに使うとか・・・
最後は、賄で食べるしかありません。
それすらも追いつかないほど残ってしまい、捨てる・・・
これも、罪悪です。
そのほか、野菜の葉っぱや皮など、食べられるのに捨ててしまう・・・
これも、罪悪です。
お客様にお出しする料理にならなくとも、金平、味噌汁の具、炒めもの、切り干し・・・
いろいろ、使えることは盛りだくさんです。
魚のあらも、そうです。
あら煮、あら汁、あら蒸し・・・
「魚にしろ、肉にしろ、野菜にしろ
人間が獲ってきたり、栽培したりしても、
当の本人たちは、食べられるために生きてきたわけじゃないんだよ。
命を頂いてるっていう自覚をすれば、捨てるとこは何処にもないよな・・・」
親方に言われました。
これって、今で言うとこの食育ですかね…?